ケガをした時の応急処置
1 日常に発生するケガの分類
日常に発生する代表的なケガの代表的なものに捻挫、打撲、挫傷などがあります。
捻挫:
関節部に急激で可動域を超えるような動きを強制するような外力が発生した際に、筋肉や腱など軟部組織を損傷してしまうケガが捻挫に当たります。
例えばキャッチボールをしていて突き指をしてしまったようなケガや、歩いていて地面の凹凸に足を取られる、歩道と車道を隔てる縁石につまづくなどでバランスを崩して転倒した際に手首や膝、足首を捻って傷めてしまったケガ、起床の際に首や肩の筋に起こった寝違えトラブル、中腰で荷物を持とうとした際のぎっくり腰トラブルなどが捻挫の代表的なものとなります。
ケガと認識しやすいものもあれば、認識しにくいけど実は筋肉や関節の炎症や損傷を起こしているものが意外と多く、身近に発生することが良く見受けられます。
打撲:
油断して身体の一部を激しくぶつけたり、転倒して強打したり、重いものを落としたりした際に発生するのが打撲に当たります。
例えば室内を歩いていて家具の角に足指を強打したケガや、自転車で転倒して肩を強打し傷めてしまったケガ、足を滑らせて背中を強打したり尻もちを突いたりなどのケガ、足の甲にビンや缶などを落としてしまったケガなどが打撲に当てはまり、これも身近に発生することが良く見受けられます。
挫傷:
筋肉や関節に対して瞬間的に引き延ばすような力が加わった際に、筋肉や腱など軟部組織を損傷してしまうケガが挫傷に当たります。
挫傷は「肉ばなれ」とも言い、例えばジャンプをして着地をした瞬間にふくらはぎに激しい痛みが生じたケガや、テニス中に相手のボールを打ち返そうとしてラケットを強く振り抜いた際に腕に生じた強い痛みを伴うケガ、ダッシュをした際に太ももを痛めてしまったケガなどが挫傷に当てはまり、これも身近に発生することが良く見受けられます。
捻挫・打撲・挫傷は基本的には骨の損傷を伴わない、筋肉や筋膜・靭帯や腱など軟部組織のケガのことですが、強い打撲や挫傷の場合ケガの程度が骨にまで及んでいることもあり、この場合は「骨打撲」「骨挫傷」とも言われます。
上記のほかに関節の位置が異常になるケガのことを「脱臼」といい、肩の脱臼や指の脱臼、小児の肘の脱臼などがあります。
また、骨に損傷が生じているケガを「骨折」といい、ヒビが入った程度のものから、骨の一部が剥がれた(剥離した)もの、骨が離断してしまった(いわゆるイメージしやすい骨折状態)などがあります。
その他に、子供や成長期に特有な「ゴボウを曲げたような力」が加わって骨に変形が生じたものを若木骨折と言います。
脱臼と骨折につきましては応急処置後、整形外科で診察を受けて頂くことがキチンとした診断ならびに処置を受けて頂くために必要となります。
当院では脱臼や骨折が疑われる場合など、必要時には当院から提携先整形外科へ無料紹介もできますし、その後のケアについては、医師の同意を頂けますと当院でリハビリなど充実した施術を受けて頂くことができます。
2 すばやい対処が大切
捻挫や打撲、挫傷などのケガが生じた場合は、可能な限りすばやい対処が大切となります。
例えばスポーツ中のケガの場合、ケガした後も無理して出場を続けたりすると症状がさらに悪化したり、その後の治癒に時間がかかったり、後遺症が残ったりするおそれが増えてしまうことが珍しくありません。
少しでも早く適切な対応をすることにより、ケガによる痛みや、腫脹、内出血などの組織損傷を軽減させ、修復を促進させることにつながります。
3 基本はRICE処置をおこなう
RICE処置とは、ケガをした場合におこなう必要がある応急処置の頭文字をとった言葉です。
「R」はRestで「安静」を保つことです。
ケガをした部分を無理に動かしてしまうと損傷した筋肉や筋膜などが更に傷つき、痛みや腫れ、内出血が悪化する恐れがあります。
痛みのある部分はもちろんのこと、関連しそうな部分も安静にしておくのが良い処置となります。
例えば、転倒して強く手のひらを突いた場合は、手のひらや手首の損傷はもとより、足首の捻挫や膝の打撲などの可能性も考えて、痛みや違和感のある部分を安静にします。
「I」はIceで「アイシング」をすることです。
患部を冷やすことにより、腫れや内出血を最小限にとどめることが期待できます。
夏場などはアイスバックで、冬でも冷水のおしぼりを数回交換して患部に生じている熱をしっかりと冷やしましょう、炎症が強いときは温浴は避けて下さい。
「C」はCompressionで「圧迫」することです。
ケガしている部分を適度に圧迫固定することにより、安静を図るのと同時に患部の悪化を避けて症状の増悪を防ぐことができます、ただし過度な圧迫は疼痛を増やしたり血流を阻害したりする恐れもありますので、柔道整復師など専門的な知識のある者に相談して下さい。
「E」はElevationで「高挙」することです。
ケガしている部分を胸(心臓)よりも高い位置に保持することで腫れや内出血の悪化防止が期待できます、例えば手のケガであれば三角巾でつるすことで、高挙と安静と固定が同時に行えます。
4 適切な処置を受けるためにも当院へ
日常に発生する代表的なケガの分類と素早い対処の大切さ、そしてRICE処置についてご説明いたしましたが、現実にケガをしてしまった場合や子供さんのケガに遭遇した場合などは冷静な判断や対応ができなくなる場合もあると思います。
特にアイシングや圧迫固定処置はどの程度まで行って良いのかが判断しにくいことも多いです。
ケガの程度やケガした方の状態により、適切な対応方法もケーバイケースとなることがあります、当院はそのような応急処置に対応しており、今までの知識と経験を活用して必要な施術を行ないますので、捻挫や打撲、挫傷などのケガを起こした場合は速やかに当院へご相談・ご来院いただくことをおすすめいたします、
どうぞお気軽にご相談、ご来院ください。